デンカ株式会社(旧電気化学工業)は良くも悪くも、老舗の化学メーカー。2015年に創立100周年を迎えたこともあり、よく言えば昔ながらの、悪くいえば古い保守的な体制。歴史が古く、実より名を取る企業文化や官僚的な風土があり、
企業規模の割には格式にこだわる。Denkaブランドがあるため、化学業界では一定の評価を受けているものの、世間一般に知名度はない。現社長は組織改編と革新を推し進めようとしているが、空回りしている印象は否めない。
基本的に年功序列、終身雇用の会社であり、キャリアアップの転職などを考えずほどほどに出世したい人には身分保障がされ、それなりに良い会社だと思われる。
成長志向や独立志向の高い人は、デンカよりベンチャー企業に進んだ方が絶対に後悔しないだろう。逆にキャリア採用で中途入社してくる社員は少なく、基本的に生え抜き社員ばかりの会社である。
事業部別に製品部門が分かれており、その事業部に各工場の生産部門がつながっている状態。
事業部ごとに扱っている製品の特色が全く異なるため、完全な縦割り社会となっている。事業部が異なるだけで雰囲気が全く違う。過去、別会社(東洋化学株式会社)を吸収合併した経緯から、現在の待遇について不満を持つ社員(買収された側の会社の社員)も少なくない。未だに準社員という制度があり、組合にも属せない社員がいる工場があるのも特徴の一つだろう。
東証一部上場企業であり、シェアが高く売上が安定している製品を比較的多く持つが、
ドラスティックな変化には付いていけてない場合が多く見受けられる。新規事業のテーマ採用に関しても、採用のハードルが非常に高いか、事業性を精査せずに見切り発車するケースがかなり多い。マンパワーがかけられるなら、この考え方もなくはないが、既存の人員でなんとかしようとするため、回せるわけがなく、サービス残業の温床となっている。
組織は属人的な色彩が強い。人の異動に合わせて部署が増えたり減ったりする。自由に意見を言うこと自体がマイナスに取られることはないように思うが、伝統的な仕事のやり方から離れた意見が採用されることは少ない。慢性的な人手不足の上、次世代を担う中堅社員が不足しており、若手に任せざるを得ない状況。資料・会議が無駄に多い慣習など、効率はあまり考慮されていない。社員の1人ひとりは非常に真面目で紳士的だが、
組織として人材を酷使する傾向がある。
部署にもよるが、特に営業部署では毎月何度も部内飲み会が開催されている。飲み会が嫌いな人が営業部に配属された場合は、お客さんの接待以上に部内の飲み会が多いことに注意されたい。