デンカの年収・福利厚生

・完全年功序列のデンカの年収制度


☑ 入社1~9年目、年収300万~500万円
☑ 入社10年目、係長 年収600万円
☑ 入社20年目、課長 年収800万円
☑ 入社30年目、部長 年収1000万円~

デンカの給与制度の特徴は完全な年功序列制度であること人事評価が良いか悪いにかかわらず、入社して最初の役職の主事になるまでは、同期社員の間でほぼ給与に差はつかない。入社10年を経過する35歳までは全員同じ給料カーブを描き、それ以降は能力や業務の結果により個人差が発生し、主事以降は同期間で徐々に差が開いていく。ベンチャー企業のような優秀社員の早期選抜は行われず、年齢が高い社員の役職が高いという古き日本企業の体制になっている。20代の課長とか30代の部長は存在しない。

年功序列の割に定期昇給はほとんどなく、役職の昇格に伴って少しずつベースが上がっていく給与システム。高卒の場合はほとんど昇給なし。管理職になってようやく年収は800万円を超える程であり、同規模の化学メーカーと比較した場合、給料・年収は非常に安く、役職につけない限りは、低所得のままと言えるだろう。部長職になれば年収1000万円は超えてくるようだが、課長どまりだった場合の生涯賃金は高くない。

・安定した賞与

賞与は毎年5ヶ月分(夏、冬で分割)。不況時でも会社の業績に関わらずボーナスは安定しているが、業績が好転した場合でも不況時とあまり変化が無いのが特徴。係長クラスからボーナス時に評価査定があり、「基本給×月数+評価」が支給額となる。評価の頻度は半年に1回で、評価方法、目標設定方法は上司との面談で決定する。

デンカの年収・福利厚生


・サービス残業の伝統

残業代については昔から問題になるテーマだが、残業代が出る部署と出ない部署が存在し、大卒の場合はほとんどの部署で残業代は出ない。これはデンカの悪しき伝統であり、入社1年目から毎日がサービス残業であることを覚悟する必要がある。メーカー特有の「工場での製造部門の作業者・現場が一番」「学卒社員は残業代をもらわずに働く」といった体育会系的な文化が、その背景にある。タイムカードがなく、残業時間は自己申請となっているが、残業として認められるには課長や部長に判を押してもらう必要があり、残業を申請しようようとすると先輩社員に止められてしまう。よって、多くの社員は月に100時間、200時間しても残業代はゼロ。個々人の社員がいつまで残業していたかはブラックボックス化している。つまり記録がないため残業していないこととなっており、就職四季報の残業時間は虚偽である。残業に関しては完全なブラック企業になっている。

・福利厚生は普通

福利厚生は大企業のなかで「中の下」といったところ。会社の指定した区域であれば、独身寮、借り上げ社宅の制度があり、ほとんど会社に賃貸料を出してもらえるので、家計には優しい。実質、年間給料より80万円程もらえることになる。但し、アパート等は自分で選べる選択肢があまりない。その他の手当は住宅手当、地域別手当などがあるが、それ以外はほとんど福利厚生が存在しない。本社の三井タワーはとてもきれいなビルだが、各拠点の工場は中小企業のそれを思わせるほど汚れている。

デンカの社風

デンカ株式会社(旧電気化学工業)は良くも悪くも、老舗の化学メーカー。2015年に創立100周年を迎えたこともあり、よく言えば昔ながらの、悪くいえば古い保守的な体制。歴史が古く、実より名を取る企業文化や官僚的な風土があり、企業規模の割には格式にこだわる。Denkaブランドがあるため、化学業界では一定の評価を受けているものの、世間一般に知名度はない。現社長は組織改編と革新を推し進めようとしているが、空回りしている印象は否めない。

基本的に年功序列、終身雇用の会社であり、キャリアアップの転職などを考えずほどほどに出世したい人には身分保障がされ、それなりに良い会社だと思われる。成長志向や独立志向の高い人は、デンカよりベンチャー企業に進んだ方が絶対に後悔しないだろう。逆にキャリア採用で中途入社してくる社員は少なく、基本的に生え抜き社員ばかりの会社である。

事業部別に製品部門が分かれており、その事業部に各工場の生産部門がつながっている状態。事業部ごとに扱っている製品の特色が全く異なるため、完全な縦割り社会となっている。事業部が異なるだけで雰囲気が全く違う。過去、別会社(東洋化学株式会社)を吸収合併した経緯から、現在の待遇について不満を持つ社員(買収された側の会社の社員)も少なくない。未だに準社員という制度があり、組合にも属せない社員がいる工場があるのも特徴の一つだろう。

東証一部上場企業であり、シェアが高く売上が安定している製品を比較的多く持つが、ドラスティックな変化には付いていけてない場合が多く見受けられる。新規事業のテーマ採用に関しても、採用のハードルが非常に高いか、事業性を精査せずに見切り発車するケースがかなり多い。マンパワーがかけられるなら、この考え方もなくはないが、既存の人員でなんとかしようとするため、回せるわけがなく、サービス残業の温床となっている。

組織は属人的な色彩が強い。人の異動に合わせて部署が増えたり減ったりする。自由に意見を言うこと自体がマイナスに取られることはないように思うが、伝統的な仕事のやり方から離れた意見が採用されることは少ない。慢性的な人手不足の上、次世代を担う中堅社員が不足しており、若手に任せざるを得ない状況。資料・会議が無駄に多い慣習など、効率はあまり考慮されていない。社員の1人ひとりは非常に真面目で紳士的だが、組織として人材を酷使する傾向がある

部署にもよるが、特に営業部署では毎月何度も部内飲み会が開催されている。飲み会が嫌いな人が営業部に配属された場合は、お客さんの接待以上に部内の飲み会が多いことに注意されたい。